東大生ランナーが最後の箱根に懸ける思い。
「学連をひとつのチームに」

  • 高橋憲治●文 text by Takahashi Kenji
  • photo by Matsuo/AFLOSPORT

 近藤は今回のチームでも矢澤の姿勢をチームメイトに話したという。たとえ普段は異なる大学で練習をしていたとしても、ひとりのランナーとしての思いが積み重ねられる。学生連合はひとつのチームへとして昇華していく。

「じつは『東京大学を代表して走る』という気持ちは少ないです。もちろん多くの先輩方が東大の代表として僕を応援し、観戦していただくことは承知しています。その先輩の思いに応えたいです。しかし僕はそれ以上に、今まで僕を応援してくれた仲間たちのために走りたいし、学生連合の一員としてこのチームのために全力を尽くしたい」

 学生連合の選手たちには毎年ジャージが支給される。近藤にとって4着目のジャージだ。そして白い襷には全選手の名前が入っている。近藤は学生連合に選出された選手だけが知る矜持(きょうじ)を持って、16人の仲間とともに箱根路を走る。

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