福岡で昨年の雪辱を期す神野大地。「結果を出せば飛躍的に成長できる」 (2ページ目)

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by Kyodo News

―― 20キロ過ぎから少し遅れ始めてきました。

「そうですね。21キロで大腿四頭筋が限界になったんです。もう四頭筋がメチャクチャ痛くて、25キロぐらいからもうやめたいと思っていました。もうきつくて......マラソンって、みんなこんなきついのを我慢しているのかなって。でも、このレースが最後になるかもしれないと思い、とりあえずゴールまでいこうと必死でした」

―― ゴールした後、一度座ると立てないくらい疲弊していました。

「もう四頭筋に力が入りませんでした。大会スタッフが3人がかりで立つのを手伝ってくれたんですけど、立てない様子を報道の方にめっちゃ撮られて(苦笑)。でも、ゴールした時は達成感があったんです。走っている感覚としてはかなり遅くて、2時間20分ぐらいだろうなって思っていたら2時間12分50秒だった。目標は達成できなかったけど、マラソンの才能がないなってことはないと確認できた。でも、日本人トップの大迫(傑/すぐる)さんのインタビューの声が聞こえてきたらすごく悔しくなって......。半分満足、半分めちゃ悔しいレースでした」

 あれから1年、1キロ3分ペースで走ることに不安を覚えていた神野はもういない。今回は3分ペースで十分走れる体になってスタートラインに立つことになる。強く、たくましくなっているが、ただライバルたちも同じように成長してきている。

―― 今回は設楽悠太(したら・ゆうた)選手を始め、日本人選手の層が厚いですね。

「設楽さん、川内(優輝)さんを始め強い選手が多いという印象です。設楽さんは上尾でも一緒に走りましたが不思議な人。読めない人ですよね(笑)。『日本人には負けないっしょ』という考えなので、そういうのを聞くとやってやりたいなって思います」

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