神野大地はフォーム改造中。意識もチェンジで福岡国際マラソンに挑む (3ページ目)

  • 佐藤俊●文・写真 text&photo by Sato Shun

 フォームの変化は、ケニア合宿で受けた影響も非常に大きい。

「ケニア人と一緒に走ると、みんなフォアフットで接地がきれいだし、腕振りも僕みたいに横に振っている選手はひとりもいないんですよ(苦笑)。彼らの走り方を吸収したらもっと速くなると思ったので、縦の腕振りはすごく意識しています。

 でも、これができるのも大学3年から中野さんに教えてもらった動的ストレッチで肩甲骨がかなり柔らかくなっていたからです。だから、縦の腕振りになっても走りのバランスを崩すことなく、フォームを変えることができました。あとは現実的なタイムで成長を結果で示して行きたいですね」

 中野はベルリンマラソンでの神野のストライドの大きな走りを見て、フォーム改造が確実に進行しているなと感じたとう。

「トレーニングをして筋肉のつき方が変わってくると自然とフォームも変わってきます。ただ、それだけでは完璧にフォームを変えることができない。やはり無理する動作も入ってくるし、動きに慣れていないので足や腰に痛みが出てくることもある。現に今、軽度ですが痛みも出ている。神野は、まだまだ発展途上です」

 フォーム改造が進んできていることは認めつつも、中野が目指す理想フォームは、まだかなり先にあるようだ。

 現在の神野のフォームは、何%ぐらいの完成度なのか。

40%ぐらい」

 中野はキッパリとそう言った。

「一時期は60%ぐらいかなって思ったこともあったけど、ケニアに行って、あのなかで神野の走りを見ていると、まだレベルが低いなって思うんです。やることがたくさんあるなと......。

 もちろん、ケニア人とは足の長さとか、筋肉のつき方とか違いはあるので仕方ないけど、あのレベルまでいかないと東京五輪でメダルを獲るのは無理だなっていうのが見えてしまった。ただ、ケニアにいた時よりも今はかなりフォームがよくなっています」

3 / 5

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る