箱根で打倒・青学大へ。東海大は弱点「ロング区間」をどう克服するか (2ページ目)

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by Kyodo News

 6区、郡司陽大(あきひろ/3年)は真面目な性格で、淡々と自分のペースで押していくタイプ。湯澤舜(4年)と同じように粘り強さが持ち味で故障がないのが強みだ。出雲駅伝でデビューし、「走って駅伝についてわかったような気がします」と、自信をつけた。

 青学大はこの区間、吉田圭太(2年)を投入してきた。出雲駅伝でデビューし、今、森田とともに一番調子に乗っている選手。その調子のよさを見せつけるように序盤から突っ込んで走り、郡司との距離をアッという間に詰めてきた。

「東海大さんとは7区、森田の時点で1分以内の差であれば勝てる」

 レース前、青学大の原監督は、そう断言していたが、その狙いとおりになるべく、差が詰まり出した。

 9キロ地点で6秒差になり、10.5キロ付近では3秒差まで迫った。

「並ばれてからが勝負だぞ!」

 両角監督の檄が飛ぶ。

 郡司は沿道からの声を聞き、背後から何かしらの気を感じたのだろう。ラストスパートでスピードを上げ、詰められた差を逆に引き離しにかかった。最終的に11で7区、主将の湊谷春紀(4年)にトップで襷を渡した。

 青学大は同じくキャプテンでエースの森田が待ち受けていた。

 昨年のレースがフラッシュバックする。

 8区のスタートまで首位を維持し、アンカーの川端千都(かずと)が出雲につづき2冠を達成すべく最後の19.7キロを走り出した。だが、神奈川大のエースの鈴木健吾に3キロ地点で並ばれ、そこから一気にかわされ、最終的に2位に終わった。

 今回も7区途中までは首位だった。そこからは昨年のレースの再現のようになった。

2 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る