2018.11.08

全日本2位の東海大に一筋の光明。
エースの復調と駅伝デビューの健闘

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by Jiji Photo

 今シーズン、その多くの時間をケガとの戦いに費やされ、苦しんだ。2、3月はアメリカ合宿でハードに追い込み、疲れたままシーズンに入った。そのため、6月に左くるぶし付近の疲労骨折が判明し、日本選手権を回避。

 その後も故障が続き、十分な練習ができなかった。出雲の時は走りながら声を荒げるなど、タレる前兆が見えた。だが、今回は後半苦しそうだったが我慢の走りを見せ、区間4位ながらトップで襷を館澤亨次(たてざわ・りょうじ/3年)につなげた。

「まだ、70%ぐらいの出来です。じつは出雲が終わった後、膝痛が出て、1回ポイント練習をはずしたんですが、今はもう問題はありません。これからもっと(調子が)上がってくると思います」

 昨年の箱根は、ケガ明けで「長距離はまだ難しい」という両角監督の判断で1区を三上嵩斗(しゅうと/4年)と入れ替わった。だが、今年はこのままコンディションを上げ、万全で箱根に臨めればチームはもちろん、ライバル校に与える影響も大きくなる。關は東海大のエースのひとり。これからどのくらい調子を上げられるか、大きな期待がかかる。

 3区の館澤は、気持ちをたぎらせていた。

 同じ区間を走る青学大の鈴木塁人3年)とは、出雲で同じ2区を走った。3秒差で区間賞を失い、優勝も逃し、レース後は悔し涙を流した。その姿がテレビで放映され、それを見るたびに「恥ずかしいし、嫌でしたけど、次は絶対に借りを返す」と心に誓った。

「今回、鈴木塁人選手が同じ区間を走るとわかった時、『あぁ来たな』と思いましたね。僕は、個人的に今回のレースを出雲のリベンジマッチと位置づけていたので、全力で挑ませてもらおうと思っていました」

 襷を受けた時、青学大とは4秒差だったが、スタートから館澤は飛ばした。1キロ2分40秒台で走り、2キロを越えた時点で青学大に13秒差をつけていた。

「關から襷を受けた時は、タイム差が4秒差しかなかったんで、追いつかれたらヤバいとドキドキしていました。5キロを越えてからですかね。『20秒離れているよ』って声かけられたんですけど、突き離しての20秒差なのか、詰められての20秒差なのか分からないので、すごく怖くて……。トップで襷を受けて走るのは、こんなに怖いんだって思いました」