日本記録更新の大迫傑はシカゴマラソンで日本人らしからぬ走り方だった (3ページ目)

  • 酒井政人●文 text by Sakai Masato

 日本人初の2時間5分台でゴールに飛び込むと、大迫は雄叫びをあげて喜びを表現した。2時間7分19秒をマークした福岡国際と比べて、前半は18秒速く、後半はなんと1分12秒も速かった。

 後半のハーフを1時間2分46秒で走破するネガティブスプリット(レース前半のペースを抑え、後半にペースを上げる走り方)は、これまでの日本人ランナーでは考えられないパフォーマンスだ。そして、初マラソンのボストンで敗れたロンドン世界選手権金メダルのジェフリー・キルイ(ケニア)と、リオ五輪銅メダルのラップにも先着した。

「誰かに勝った、誰かを負かしたということではなく、自分がここまでできたという喜びが大きいです。大事なのはどんな状況であれ、最終的な勝負に絡むこと。順位はボストン、福岡と同じ3位でしたけど、今回は得るものが多かった。前回よりも勝負できた距離が伸びたことは次につながりますし、1億円もうれしいです(笑)」

(後編に続く)

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