2018.10.12

出雲駅伝「完敗」の東海大は巻き返せるか。
初駅伝組が次につながる好走

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by Kyodo News

 トップの青学大とは20秒差の6位通過。西川の力を考えると10秒差以内で抑えることができたはずだが、想定以上に離され、出鼻をくじかれた。

 その遅れを取り戻したのが、2区の館澤だ。

 頭を左右に振り、苦しそうに走りながらも6位から2位へと順位を上げた。アジア大会、全日本インカレで1500mを走り、調整する期間が短かったが、持ち前のタフネスぶりを発揮して意地を見せた。

 2区でレースをリセット。ここからが本当の勝負だった。

 トップを走る青学大との差は23秒差。3区、中島が青学大のエース森田歩希に喰らいついていけば、両角監督の狙いどおり「前半3区間で我慢し、アンカー勝負」に持ち込める可能性が高くなる。

 強烈な向かい風が吹くなか、中島は突っ込んでいった。しかし、なかなかペースを上げることができない。本来、馬力のある力強い走りができる中島だが、そのよさを発揮できないまま遅れていった。

 気がつけば、青学大の姿は視界から見えなくなっていた。

「3区のエース区間に起用されて、監督は期待してくれていたと思うし、自分もその期待に応えられる走りができると思っていたんですが、想像以上に向かい風が強くて……。それにうまく対応できず、結果を残せなかったのは自分の力不足。悔しいですし、チームのみんなにも申し訳ない気持ちでいっぱいです」

 いつも強気な中島だが、レース後は顔色を失い、茫然自失といった感じだった。レースでドン底に叩き落されたが、ここからどう這い上がっていくのか。中島の本当の力が試されるのはここからである。

 結局、区間12位という中島らしくない走りで順位は4位に後退。トップの青学大との差は、1分14秒差に広がった。

「ここで万事休す。勝負あり、でした」

 両角監督はそう言った。

 距離が短い出雲駅伝では3区を終えて1分以上の差をつけられては勝負にならない。2連覇はほぼ絶望になってしまったのである。