学生駅伝シーズンが到来。ストップ・ザ・青学大へ他大学は黄信号か (3ページ目)

  • 酒井政人●文 text by Sakai Masato
  • photo by YUTAKA/AFLO SPORT

 西川はレース後、「前で攻めたんですけど、力が足りなかったですね。現時点では青学大さんのほうが強いと思うので、自分たちはこれからの試合で結果を残して自信をつけていき、青学大さんに負けないように頑張りたい。出雲と全日本も区間賞をとるつもりでやっていますが、箱根では絶対に区間賞をとって、チームに貢献するのが目標です」と話していた。

 東海大は1500mで日本選手権を連覇している館澤亨次(3年)も同種目で本領を発揮した。ジャカルタ・アジア大会の疲労で足が動かなかったというが、ラスト10mで才記壮人(筑波大学2年)をかわして、3分46秒28で優勝している。しかし、チーム全体で見ると、5月の関東インカレ、6月の日本選手権と比べてトーンダウンした印象だ。

 昨年の出雲駅伝は3年生以下のメンバーで臨み、1区阪口、2区館澤、3区松尾、4区鬼塚、5区三上、6区關というオーダーで青学大に完勝している。だが、6月上旬に左くるぶし付近を疲労骨折した關は練習に復帰しているものの、今年の出雲は大幅なメンバー変更がありそうだ。

 東海大は今夏から大きく舵を切っている。昨季まではスピードにこだわってきたが、チームは「箱根駅伝」を最大の目標に掲げるようになったのだ。1次合宿(8月2~12日)と2次合宿(8月17~9月4日)で30km走を10本近くこなすなど、走行距離が大幅アップ。両角速駅伝監督は、「とにかく箱根だぞ!」と選手たちに声をかけている。

 昨季は出雲1位、全日本2位、箱根5位と走行距離が延びるにつれて順位を落とした。しかし今季は箱根に照準を定め、正月の晴れ舞台で王者・青学大に真っ向勝負を挑む構えだ。

 そうなると、出雲は前回2位の青学大が優勝候補になる。東海大はメンバー次第。青学大を揺さぶるとしたら、前回5位の東洋大学になるだろう。

 東洋大は日本選手権1万mで学生トップの4位に食い込んだ西山和弥(2年)、同8位の相澤晃(3年)、右中足骨の疲労骨折などから復帰した山本修二(4年)。この3人が強力で、酒井俊幸監督は「勝つ」ためのオーダーを組んでくるはずだ。1区から仕掛けてくるに違いない。

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