東京五輪に向けて候補者が続々と名乗り。瀬古利彦が注目するランナー (3ページ目)

  • 高橋博之●文 text by Takahashi Hiroyuki
  • 甲斐啓二郎、アフロ●写真 photo by Kai Keijiro,AFLO

 女子は男子以上に若い世代がファイナリストに名乗りを上げた。30代ながら自己ベストを更新してMGCファイナリストに選出された野上恵子以外は、安藤友香が24歳、岩出玲亜が23歳。松田瑞生(みずき/23歳)と関根花観(はなみ/22歳)は同学年。そして最年少の前田穂南(ほなみ/22歳)が北海道マラソンでMGC出場資格を得た時は21歳だった。

「一番期待しているのが松田選手。大阪国際女子マラソンで初マラソン2時間22分台。日本選手権も10000mで優勝した。そして松田選手に限らず、安藤選手や関根選手といった、トラックでしっかり走っている選手が今からマラソンを走っている。安藤選手は初マラソンを2時間21分で走ったし、世界陸上で厳しさも経験した。みんな伸びしろはもっとあるはずです」

 女子のMGCファイナリストはまだ6名。ワイルドカードも含めて2年目の名乗りが期待される。実績のある清田真央、前田彩里といった選手は瀬古リーダーの目にどう映ったか。

「名古屋では清田選手、前田選手といった実績のある選手が実力を出し切れなかった。彼女たちは1年目で選出される力があったはずです。今年はしっかり結果を残してMGCに進んでほしい」

 そしてもう1人出てきて欲しい選手がいると、瀬古リーダーは言う。

「鈴木亜由子選手。トラックの実績は抜群だし、彼女は日本全体を引っ張れる選手だと思います。こういう選手が出てこないと全体としてもう1ランク上に行けないと思う。期待していますよ」

 男子も2年目にかける選手は多い。

「一色恭志(ただし)、神野大地、服部勇馬といった選手たちもワイルドカードはとれるでしょう。村山謙太選手は今年で決めて欲しかったけれど。モノがあるだけにもったいなかった。実際、MGC出場資格獲得のために今年もう1本走るというのでは、私たちの考える世界で戦うプランでは少し遅いわけです」

3 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る