トラックシーズン終了。東海大監督が「心強い」と成長を認めた選手は? (2ページ目)

  • 佐藤俊●文・写真 text&photo by Sato Shun

「うーん、『学生長距離5冠』を目標にして、まず関東インカレを獲れたことはチームとしてよかったのかなと思います。走った選手も、サポートしてくれた選手も、みんな一生懸命やってくれたので。1年生が出遅れたり、主力にケガで出たりしていますけど、4年生の湯澤や三上(嵩斗/しゅうと)がよくやってくれているし、ほかのみんなもサポートしてくれているので、あとは本当に自分だけかなと思います」

 春のトラックシーズンを総括すると、どんなスコアになるのだろうか。

「チームとしては80点ぐらい取れています。自分は......赤点ですね。30点ぐらいなので、夏合宿にしっかりやるだけですね」

 湊谷は渋い表情でそう言った。

 8月上旬に始まる夏合宿で、湊谷はどれだけ自分を取り戻せるのか。学生最後の夏は、湊谷にとってより厳しいものになりそうだ。

 その湊谷のレースを「いまひとつ、ふたつですね」と見ていたのは、両角速(もろずみ・はやし)監督だ。

 翌日の網走での関東学連の競技会にも5000m、1万mと東海大の選手たちが出場していたが、両角監督の表情は厳しいままだった。

 4月からのトラックシーズンが終わり、チーム全体の状況をどう捉えているのだろうか。

「全体的に物足りないですね」

 両角監督は、きっぱりとそう言った。

「箱根を目指している大学と、目指し切れていない大学との差が出ているのかなと。『トラックをやっているから箱根は勝てないんだ』という言い訳をしないように、私自身はきちんと(箱根を)目指してやっていきたいと思っていますが、物足りないですね」

 昨年の同時期は故障者もなく、怖いくらい順調で、秋の駅伝シーズンへの期待感が高まっていた。だが今年は、主力の關颯人(せき・はやと)、阪口竜平らが故障し、鬼塚翔平もなかなか調子が上がらない。

 さらに中間層の選手たちも伸び悩んでおり、1年前と比較すると物足りなさを感じるが、両角監督の憂いは「選手の意識」にあるという。

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