200mで日本一の飯塚翔太が明かす「やっぱり100mも走りたい」 (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 中村博之●写真 photo by Nakamura Hiroyuki

 走りの改善点についてはこう話す。

「前半をもう少しスムーズにいけば、今の意識のままでも、もう少し前にいけると思う。直線に出たときに前のふたりと同じ位置くらいにいることができれば、後半がもっと伸びてくるはず。今日のレースで自己ベストの20秒11くらいが見えたという感じです。あとは、スピードを上げるためにもう少し回転数を上げるのか......、そういう微調整を練習でやっていけば、(前半と後半の)いいタイミングというのが見つかると思います」

 海外のトップ選手との戦いを考えれば、今回のようなきれいな流れだけではなく、もう少しメリハリをつけた前半の走りが必要になってくる。そんなイメージも明確になってきたレースだった。

 東京五輪ターゲット記録スタンダードの20秒44を突破して優勝した飯塚は、8月のアジア大会200m代表を内定させた。代表発表では、100mで1位の山縣亮太(セイコー)と2位のケンブリッジ飛鳥(ナイキ)のほか、桐生もリレー要員として選ばれ、16年リオデジャネイロ五輪銀メダルメンバーが勢揃いしたことになる。

 ただ、4×100m候補はこの4人に加え、100m5位の多田修平(関西学院大)、200m2位の小池、3位の山下潤(筑波大)もリレー要員として選出された。

 一方、4×400mリレーには個人種目で400mに出場するウォルシュ・ジュリアン(東洋大)のほかに、リレー要員として400m2位の木村淳(大阪ガス)、400mハードル代表の安倍孝駿(デサント)と岸本鷹幸(富士通)が選出され、本番では飯塚を含めて200mの成績で選ばれた選手が回る可能性もある。

 そんな状況に飯塚は、「4×400mリレーと言われれば、出る覚悟はあります」と話すが、これまで4×100mで2走を務めて結果を出してきた自負もある。

「やっぱり東京五輪を考えれば、リレーはメダル獲得の可能性が高い種目だからメンバーに入りたい気持ちはあります。個人種目で代表になるのはもちろんですが、リレーメンバーになるのも大きなことなので。

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