リオの銀から2年。日本スプリント勢が再び輝くには飯塚翔太が必要だ (5ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 村上庄吾●写真 photo by Murakami Shogo

 3度目の優勝を狙う日本選手権の200mには、桐生もエントリーしている。前半から突っ走るだろう桐生を目標にすれば、飯塚もこれまでとは違うレースができるだろう。その戦いに向けての目標は、予選と決勝の2レースを20秒2~3で揃えることだと話す。

「19秒台はもちろん一番に出したいけど、タイムというのは『出したい!』と思うとヒューッと逃げていってしまいますからね(笑)。ベストを出した時もタイムをまったく考えないで走って、優勝したあとで見たら20秒11だったので。だから19秒台というのは練習のエネルギーにするだけで、やらなければいけないのは今の練習を継続することだと思います。今年は故障もあった影響でそんなに練習ができていないので、その状態で20秒2~3が出れば19秒台にも進んでいけると思う」

 飯塚の今季最大の目標は、8月のアジア大会で優勝することだ。だがアジアにもライバルはいる。19秒97のアジア記録を持つフェミ・オグノデ(カタール)は同い年の選手で、ゴールデングランプリで自己記録の20秒16で2位になり、6月19日には100mで9秒97を出した謝震業(中国)は2歳下の選手だ。

「彼らがいるのは刺激になるけど、日本にもハキームだけではなく年下の選手がいっぱいいるので、その中でちゃんと結果を出していかなければいけないですね。だから本当にやりがいがあります」と笑顔を見せる飯塚。そのためにも日本選手権を、その第一歩にしなければいけない。

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