東海大駅伝の口下手な新主将は、3年生のスター軍団をまとめられるか (3ページ目)

  • 佐藤 俊●文・写真 text & photo by Sato Shun

「僕は、チームの強さは人間的な部分だと思うんです。人として当たり前のこと、挨拶とか、体操の時の声かけとか、そういうところをしっかりすることが練習に対する意欲とかに直結してくると思うんです。だから、基本的なことを徹底していこうと思っています」

 今年のチームも昨年から引き続き關颯人(せき・はやと)、鬼塚翔太、館澤亨次、阪口竜平ら新3年生が中心になる。

 一方、湊谷ら4年生は存在感がもうひとつだ。昨シーズン、15名いる湊谷たちの代はなかなか結果を出せずにいた。出雲駅伝は出走者がゼロ、全日本大学駅伝は三上がひとりだけ。箱根駅伝は湊谷と三上の2人が走ったが、主力は2年生で5名の選手が出走した。そこで輝いた中島怜利(れいり)と館澤は、ふたりとも2年生だった。チーム内のヒエラルキーは学年と競技力で形成されるが、新3年生はチーム内で大きな存在になり、発言力もより増していくだろう。その3年生ら主力選手をどうまとめていくのか、その舵取りも大きなテーマになる。

「昨年も2年生が中心になっていたし、今年も3年生が主力になるのは当然で、そうあってほしいと思います。僕らは昨年、力がある学年ではなかった。今年も力のある選手が少ないし、思うような結果を出せていないんですけど、下のチームで頑張ってくれている選手がいる。僕は彼らを含めた選手に対して、競技への姿勢や背中で引っ張っていくしかないかなって思います」

 前主将の春日は、今年のチームが大きな結果を残せるか否かは、湊谷が3年生をまとめるというよりも、3年生がいかに湊谷をサポートしていけるかに懸かっているという。

「新チームは、みんなタイムがあるので強いし、層も厚くなっている。競技面では心配していないですけど、3年生が4年生をサポートする姿を見せてほしいなって思いますね。3年生が好き勝手やっていたら、湊谷の胃にストレスで穴が開くと思うんで(苦笑)。ほんと、そこだけですね。3年生が協力してくれれば、今年のチームは湊谷を中心にひとつにまとまると思います」

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