なぜ神野大地の「おなか」は痛くなるのか。8分台を阻む原因を調べる (4ページ目)

  • 佐藤 俊●文・写真 text & photo by Sato Shun

「マラソンのスタートに立つ前にすべき3つのこと、『調整の仕方』『走りの練習の仕方』『試合当日にもっていく筋肉の状態』を確立することができたのは大きいです。今までは、どうやればいいのかわからなかったので。今後、スピードの質を上げることができれば、もうワンランク上で勝負できると思います」

 福岡の前は何もかも手探り状態だったが、次のレースは2回のマラソンで見えた「マラソンを走る前の3ポイント」をベースに戦える。そして、さらにワンランク上で勝負できるように今シーズンのスケジュールを立てた。

「最初、4月と5月はハーフをやろうと思っていたんですが、距離よりもスピードの質を上げたほうが自分には合っているので、トラックで5000mと1万mに出ます。そこでマラソンをやる前の状態にもっていけたらと考えています。タイム的には5000mだと14分5秒、1万mは28分30秒から40秒ぐらいですね。その状態を作ってから6月、7月、8月でマラソンの練習をして9月のレースに出ようと思っています。

『お前はまずMGCだろ』って言われるかもしれないですけど、そのためだけにマラソンに出るのはもったいない。僕は次の(グランドチャンピオンシリーズの)レースで2時間11分42秒以内に走れば(2レースのタイムの平均が2時間11分以内という条件を満たして)MGCへの出場が決まるので、そこを意識するというよりは、もっと上を狙っていく中でMGCがついてくればいい。東京五輪で世界と戦うためには、そこじゃなくもっと高いハードルを目指していかないと話にならないんで」

 厳しいトレーニングの最中、神野は5日間の休暇をもらって帰省し、リフレッシュした。昨年の夏は合宿が続いて休みがなく、今年の正月もニューイヤー駅伝を走った後、休みだった2日と3日は箱根駅伝の解説を務め、母校・青学大の応援と4連覇達成祝賀会などにも参加した。2日間以上の休みを取ったのは、社会人1年目の夏以来だった。

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