選手のために。東海大・両角監督が提案する箱根駅伝「3つの改革案」 (5ページ目)

  • 佐藤 俊●文・写真 text & photo by Sato Shun

 しかし、選手は1区間だけ自分の大学のユニフォームを着て走り、それで満足しているように見えます。そもそも箱根に出場できない選手が学生連合というチームで個人として出場し、その経験を各大学で活かすということを主に考えているのであれば、ユニフォームを着る、着ないは関係ないと思うのです。

 また、私は陸上界の底上げを求めるのであれば、自分の大学のユニフォームはチームとして出場しないと着られないという厳しさと重みがあってもいいと思います。学生連合は、チームとして出場する以上、統一のユニフォームで出場する。それが本戦出場への価値をより高め、箱根駅伝をより質の高い魅力あるレースにしていくことにつながると思います」

 2019年の第95回大会は、記念大会になる。

 日本固有の駅伝文化をより進化させ、多くの人が楽しめる魅力ある箱根駅伝にするには、その時代の変化や要望に応じてマイナーチェンジを繰り返していくことが不可欠だ。また、箱根駅伝から世界に通じるような選手を生み出していくのが大きな目的であれば、選手強化に関東学生陸上競技連盟がさらに尽力していく必要があるはずだ。

 記念大会は何かを変えるいいチャンスでもある。両角監督の3つの改革案は、奇想天外でも極端に難解なものでもない。ファンと学生のために、そして箱根駅伝がより面白くなるためには議論をすべき改革案である

(つづく)

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