敗れた東海大で光った6区・8区は、次こそ箱根初優勝の布石となるか (6ページ目)

  • 佐藤 俊●文・写真 text by Sato Shun  photo by YUTAKA/AFLO SPORT

 2018年シーズンも館澤はやり方を変えないという。むしろ2017年にやってきたことをより進化させていく。

「今回の箱根で1500mも20kmもやれるということがわかったんで、今後もこの2つをやり続けていきます。ただやるのではなく、1500mでは世界を目標に、箱根では区間賞を目指して貪欲にやっていきます」

 青学大の強さが目立った今回の箱根駅伝だが、勝負を決めたのは6区と7区。だが、それも8区に下田というエースが控えていたことが大きい。青学の必勝パターンは6区と8区に絶対的な存在がいて、後続を大きく引き離す展開なのだ。

 今回、東海大にも6区の中島、8区の館澤という必勝コンビが誕生した。東海大の多くの選手が力を発揮できずに終わったなか、中島と館澤の走りは沈みかけたチームを救ったのだ。両角監督も「2人は昨年以上の走りをしてくれた。同じように並べられるかわからないですが、可能性としては面白い」と語っている。

 中島、館澤がそれぞれ区間賞を取るような走りができれば、箱根駅伝3位内はもちろん、初優勝も視界に入ってくるだろう。

 そのくらい大きな武器を敗戦のなかから東海大は手に入れたのである。

(つづく)

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