箱根駅伝5位に沈んだ東海大の自省。
「速さはあるが、強さがない」

  • 佐藤 俊●文・写真 text by Sato Shun  photo by YUTAKA/AFLO SPORT


 關が出走できなかったことは東海大にとって痛手だった。しかし、故障した時点でチームは關が箱根にはいないことを早くから想定していたし、両角監督も三上に準備しておくように伝えていた。

「關は2区の阪口に何かあった場合、三上を2区に起用するので、その場合は關を使わないといけないという部分はあったんですが、基本的には随分前から90%使わない予定でいました。だから、關を使わなかったことでの"往路9位"ではないと思います」

 両角監督は關不在が往路の結果に影響したことを否定した。

 とはいえ、出雲優勝のアンカーが不在になったのだ。選手心理からすると關という大きな柱を失い、箱根は相当な危機感を抱き、それが焦りを生んだように思える。

 レースでは、スピードを活かしてライバル校の前に立つことができなかった。

 1区の三上は、序盤から中盤にかけていいポジション取りをしていたが、東洋大の西山和弥(1年)がスパートした後、ついていけなかった。優勝争いのライバル青学大や神奈川大にも先を行かれ、これ以降、東海大は一度も青学大の前を行くことができなかった。

 往路が終わり、9位に沈んだ後、両角監督はレースにおける"誤算"についてこう語った。

「2区の阪口がハイペースに対応できず、後半ガクッと落ちてしまった。23kmのスタミナがもたなかったですね。3区の鬼塚翔太(2年)には期待したのですが、思うほど追えなかった。区間3位(1時間3分29秒)ですけど、5位に近い3位だったので、そこでのゲームチェンジがうまくいかなった。

 そして、思ったほど上位でこなかった焦りから(4区の)春日千速(ちはや/4年)、(5区の)松尾淳之介(2年)とミスをしてしまった。この2人が区間12位だったのが非常に残念でした」

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