2018.01.04

崩れたライバル、崩れぬ青学大。
「箱根駅伝を勝つメソッド」で4連覇

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Naoki Nishimura/AFLO SPORT

 そんな中で唯一意地を見せたのが、昨年11月の全日本では5区まで首位を守るしたたかな走りを見せていた東洋大だ。4年生がひとりしかエントリーできないという状況で、往路に1年生を3人使って往路優勝を狙った。その期待通りに1区では1年生の西山和弥が17.8kmから鋭い飛び出しを見て逃げ切り、2位に14秒差をつける区間賞を獲得。さらに2区では2年生の相澤晃が期待通りの走りを見せ、区間賞獲得の森田と山梨学院大のドミニク・ニャイロに3秒遅れただけのタイムでしっかり首位を守った。

 3区では酒井俊幸監督が青学大のエース・田村に対抗するためにと満を持してぶつけた3年生の山本修二が、序盤は田村に差を詰められながらも落ち着いた走りで区間賞を獲得すると逆に46秒差まで広げた。

 そして、4区には全日本の最長区間4区でいい走りを見せた1年生の吉川洋次を起用。区間賞は1秒差で逃したが、前回、順大の栃木が出した記録を1分14秒上回る区間新の走りを見せた。この時点で青学大に2分03秒差をつけて、王者を慌てさせた。

 ただ、結果的には青学大・原晋監督の選手の適性をみる目が勝った。東洋大の5区に起用された1年生の田中龍誠(りゅうせい)は1時間14分16秒(区間9位)と、ほぼ合格点の走りで首位を守って芦ノ湖のゴールに飛び込んだが、今回5区が初めての青学大・竹石尚人(2年)は終盤に脚の痙攣で2度止まりながらも区間5位の1時間12分49秒で走り、東洋大との差を36秒にまで詰めてゴールしたからだ。

 東洋大の酒井監督とすれば「7区に入った時点で並んでいる状況にしたい」と話していたように、往路では青学大に最低でも1分半の差をつけたかったところだ。だが、その差は36秒。6区に山下りのスペシャリストの小野田勇次(3年)を擁し、8区に同区間2年連続区間賞の下田裕太(4年)を置ける青学大が一気に有利になってきた。

 復路は予想通りの展開となった。小野田が東洋大を15kmで捉えて逆転すると、三大駅伝初出場だった7区の林奎介(けいすけ/3年)が最初の5kmを14分10秒で突っ込む驚異的な入りをする。設楽悠太(Honda/当時は東洋大)が持つ区間記録を16秒更新する1時間02分16秒で走り、その差を3分38秒にまで広げた。