ベテラン駅伝記者が「箱根の区間エントリー」から読む有力大学の戦略 (5ページ目)

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Yohei Osada/AFLO SPORT

 前回3区を走った野田一輝(2年)や出雲駅伝6区区間4位の橋本龍一(2年)も補欠メンバーに入っており、そのどちらかが1区で、栃木を塩尻と並べて勝負ということも十分に考えられる。一方で、栃木を1区に起用して前半を神奈川大とともに突っ走ろうという予想外の作戦に打って出る可能性もあるだろう。

 エースのドミニク・ニャイロ(3年)がいる山梨学院大は主将の上田健太(4年)を5区にエントリーしたが、それは5区でキッチリ勝負をしたいというところか。

 1区の永戸聖(しょう/3年)の起用は、上田が1区でなければ十分考えられるもの。市谷龍太郎(4年)と河村知樹(4年)という主力を補欠に回しているが、そのふたりを3区と4区に起用してくれば、往路絶対重視に徹する勝負の区間配置といえる。

 箱根駅伝開幕まであと2日。それぞれ大学の思惑と戦略がどう結果につながるのか、今から楽しみだ。

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