2017.12.31

ベテラン駅伝記者が「箱根の区間エントリー」
から読む有力大学の戦略

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Yohei Osada/AFLO SPORT

 鈴木は1万m28分31秒66ではハイペースにも対応でき、上位での中継は可能。また森田も前回は終盤がダラダラ上りの4区を、区間賞獲得の栃木渡(順天堂大)に7秒負けただけと、確実に走る力を持つ選手。鈴木健吾(神奈川大)などが相手でも着実に走ってつなげば、3区の田村で勝負して、開けられた差を詰めて往路はそこそこの状態でいけると考えているのだろう。

 青学大のもうひとりの柱である下田裕太(4年)は補欠に回っていて、「5区に起用かも」という見方もある。だが、6区には区間賞候補の小野田勇次(3年)がいるだけに、1年生ながら出雲駅伝の5区で区間3位だった神林勇太で7区つなぎ、下田の3年連続の8区で勝負を決めるというのがオーソドックスな作戦だろう。

 そうなれば9区を、前回は1区で区間4位だった梶谷瑠哉(りゅうや/3年)に変更して万全を期すだろう。東海大とどちらが先に往路のゴールを切っているかも見どころだが、6区から8区までの両校の競り合いの結果が、総合優勝の行方を分けそうな状況だ。

 その両校に対抗する1番手と目される神奈川大は、1区に山藤篤司(3年)で2区に鈴木健吾(4年)、3区は越川堅太(2年)、4区大塚倭(やまと/4年)、5区荻野太成(たいせい/2年)と想定通りの区間配置をしてきた。

 これまでの実績をみれば、山藤と鈴木は堅実で、順当なら2区終了時点で抜け出すか少なくとも、先頭集団にいるだろう。狙っている往路優勝のカギは、全日本5区区間賞獲得と成長している越川が、どんな走りをするかだ。もし、前回と同じように先頭でタスキを受けた場合も、そこをうまくしのげば4区の大塚も確実な走りが持ち味だけに、5区での往路優勝争いを繰り広げられるだろう。