2017.12.31

箱根のスター、高卒、外国人。
ニューイヤー駅伝にみる日本長距離の今

  • 酒井政人●文 text by Sakai Masato
  • photo by Tamura Sho/AFLO SPORT

 キプケモイは5000m(13分03秒07)と1万m(26分52秒65)で日本記録を大きく上回る自己ベストタイムを持つ。しかし、キプケモイの記録は5年前のものだったため、来日時にはトラックの記録を持っていなかったキプヤティチが、ニューイヤー駅伝のメンバーに登録された。

 キプヤティチは今季、5000mで13分23秒11、1万mでは28分03秒80と、いずれも突出したタイムを残したわけではない。しかし、11月の九州大会では2区(7.4km)を走り、エノック・オムワンバ(MHPS)と17秒差の区間2位。同区を走った9人の外国人選手のなかで2番目という、まずまずの結果を残している。

 キプヤティチは区間賞争いに加わるほどの実力はないものの、前回の鎧坂と比べれば30秒ほどタイムを短縮できる見込みだ。唯一ともいえる弱点がなくなった旭化成は、このまま”黄金時代”へ突っ走るかもしれない。

 ただし、このように外国人ランナーが入ったからといって、旭化成の「日本を代表する世界的ランナーの育成」という昔からの目標が変わったわけではない。ケニア人選手の獲得は、駅伝の「助っ人」というだけでなく、世界を目指すうえでの「日本人選手の練習パートナー」の役割も担っている。

 実際に、市田孝や大六野秀畝(だいろくの しゅうほ)などは、彼らに引っ張られて練習の質が上がっているという。外国人選手との相乗効果がどんな形で表れるのか。旭化成の”進化”を楽しみにしている。