「箱根の山で目立ちたい」。強気の
1年生は東海大の秘密兵器になるか

  • 佐藤 俊●文・写真 text & photo by Sato Shun

東海大のムードメーカー、西田壮志。箱根駅伝、出走なるか東海大のムードメーカー、西田壮志。箱根駅伝、出走なるか東海大・駅伝戦記  第19回

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 箱根駅伝の区間エントリーが発表された。

 箱根初制覇を狙う東海大の区間エントリーで注目をしていたのは、2区と5区だった。

 エース区間の2区経験者は春日千速(ちはや/4年)、川端千都(かずと/4年)、關颯人(せき はやと/2年)と3人おり、阪口竜平(りょうへい/2年)も調子がよかった。2区は各大学がエースを置いてくるので、ここで大きく離されるわけにはいかない。調子のいい、スピードのある2年生を置くだろうと思っていたが、阪口をセットアップした。關を1区に置き、3区の鬼塚翔太(2年)とともに1区から3区までスピードランナーを揃え、ハイペースでの駅伝が可能になった。そうなれば東海大の思惑通り優位にレースを展開できる。

 もうひとつ、注目していたのが5区だ。

 区間エントリーでは松尾淳之介(2年)が入った。松尾は試走タイムで西田壮志(1年)を上回るなど調子がよく、昨年の箱根で4区を走り、今年も出雲を走るなどレース経験も考慮されての抜擢だ。そういう意味では極めて順当な起用だが、まだ西田の可能性がないとも言えない。

 本来、5区はキャプテンの春日が走る予定だった。夏から山の準備を始め、白樺湖合宿では厳しい上りのコースを難なく走り、両角速(もろずみ はやし)監督も「春日が5区を走ってくれれば」と期待していた。松尾は全日本インカレのために山の練習をしなかったが、西田は夏合宿で山上り練習をスタートさせた。白樺湖での山上りでは春日より1分早くスタートしたが中盤で追いつかれ、最後は風と急勾配に全身の筋肉を使い、ゴールした後、しばらく倒れたままだった。

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