今や箱根駅伝のシード常連。中央学院大の「目標5位」が逆に不気味だ (3ページ目)

  • 酒井政人●文 text by Sakai Masato
  • photo by AFLO SPORT

 そして、何より楽しみなのが、2年連続で5区を走ることが濃厚の細谷だ。

 昨季は夏に右中足骨を疲労骨折した影響で、出雲と全日本は欠場。実戦的なトレーニングができるようになったのは12月に入ってからだったにもかかわらず、箱根では区間3位と好走した。今季は全日本でアンカーを務めるなど、前回と比べて状態はすこぶるいい。順当にいけば、"山上り"を制する可能性は高いだろう。

「みんなには『区間賞を狙えよ』とか言われますけど、自分のなかでは、まだ大きなことを言える選手ではないと思っています。区間賞を狙うのではなく、自分の出せる力を出し切ることが目標です。それは毎回思っていることで、その結果として区間賞などの結果がついてくればいい。それに、駅伝なので個人よりもチームの目標を達成したい。箱根は『5位以内』が目標なので、それを念頭に置いて、自分の力を出し切るだけです」

 細谷の前回の区間タイムは1時間13分08秒。今季の状態を考えれば大幅なタイム短縮が可能なはずだが、本人は「最低でも1時間12分台では走りたいと考えています。目標が低い? いや、自分のなかでは高いと思っていますよ」と笑顔で答えた。

 6区にも区間歴代4位のタイムを持つ樋口陸(3年)がおり、山での爆発力はナンバーワンといっていい。4区までを粘ることができれば、トップ争いに加わるチャンスは十分にある。目標の「5位以内」どころか、欲張らないチームが箱根に旋風を巻き起こすかもしれない。

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