今や箱根駅伝のシード常連。中央学院大の「目標5位」が逆に不気味だ (2ページ目)

  • 酒井政人●文 text by Sakai Masato
  • photo by AFLO SPORT

 そもそも、川崎勇二監督が「優勝」を目指しておらず、そういう意味で極めて異質なチームといえる。

「選手層は厚くなってきましたけど、いわゆる"エース"がいないじゃないですか。箱根もミスがなければシード権(10位以内)は獲得できるでしょう。前回はデコボコでしたので、今回は全員が区間ひと桁の順位で走るような駅伝をしたいですね。とにかく故障と体調不良には気をつけて、いかにトレーニングを継続できるか。それを大切にしていきたいと思っています。優勝ですか? それは無理ですよ(笑)」

 川崎監督はそう話すが、1区~4区は経験者が残っており、復路も穴のないオーダーが組める。安定感のある1区の大森で流れに乗り、2区の高砂大地(2年)と3区の横川は前回の経験を生かした走りができるだろう。4区は前回区間11位の新井とともに、出雲(5区)と全日本(6区)を区間6位でまとめた、ルーキーの高橋が候補に挙がっている。

 このなかでは、全日本を欠場した横川に注目したい。

 ルーキーイヤーの昨季は出雲で1区(区間10位)、全日本で2区(区間8位)、箱根では3区(区間12位)を務めた。今季はふくらはぎ痛でトラックシーズンに活躍できなかったものの、9月の日体大長距離競技会1万mで今季の日本人学生6位となる好タイムをマーク。出雲(2区/区間4位)の後に左ふくらはぎの痛みが再発したが、全日本後の富津合宿で練習を再開した。

「本当は1区が希望なんですけど、大森先輩は絶大な信頼があるので、正直、厳しいと思っています。でも、3区も自分にすごく合っているコース。前回は18kmまで区間賞を狙える位置にいたんですけど、湘南大橋から動かなくなりました(笑)。終盤のペースアップを課題に、ラスト3kmから切り替えて区間賞が獲得できるように練習していきたいです」

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