2017.12.29

東海大は2分差を復路で逆転可能。
箱根駅伝「初Vのシナリオ」はできた

  • 佐藤 俊●文・写真 text & photo by Sato Shun


「今季の箱根は平地区間、特に自分の力を一番発揮できるのは9区って書いたんですけど、昨季のまま(6区・8位)では終わりたくない気持ちもあります。最終的にどこを走るかはチーム事情によりますが、いくら僕が力をつけても、うちに6区を走れる選手がおらず、監督に『頼むぞ』と言われたら行くしかないです。

 僕は自分のわがままが通用するほどの選手ではないので、それは受け止めて走ります。ただ、どこを任されても(エントリーメンバーの)16人の中でも僕が一番箱根への思いが強いので、やってやろうと思っています」

 中島は自信満々の表情で、そう言った。5区、6区は特殊区間だが、中島をはじめ走れる選手が複数いる。その選手層の厚さが東海大の強みだが、その椅子のひとつを中島は譲るつもりはない。坂を下って、平地になる15kmから練習して積み上げてきた"違い"を見せてくれるはずだ。

 翌日、午前11時20分からポイント練習がスタートした。17kmの変化走だ。1周5kmのコースを3周し、各5kmの合間に1kmのジョグを入れる。5kmを1kmごとに、それぞれ2分50秒から3分20秒ぐらいの間でペース設定して走る。実際のレースを想定し、ペースの変化にもうまく対応して走れるようにする実戦的な練習だ。

 1周、2周と遅れる選手は出ず、大きな集団となって前に進んでいく。1kmのジョグが終わると、ミニバイクに乗った西出仁明(のりあき)コーチから「ここから上げるよ」と、声が飛ぶ。先月には富津(千葉県)で19kmの変化走を行なったが、その時よりも調子がいいようだ。そして、アッという間に17kmを走り切った。

 数日前のポイント練習では、ひとり離れて独自調整していた關もしっかりと走り切った。自分のコンディションが上がりつつあることを感じているのだろう。鬼塚らと話をする表情が明るい。それにしても16名全員がひとりも脱落することなく、コンディションを上げているのは奇跡に近い。

 まだ、この時点では箱根駅伝まで1週間以上あったので、当日はどうなっているのかわからないが、今、箱根を走ればダントツの強さを見せるのではないか。そのくらい勢いがある。