過去最低の箱根駅伝から巻き返し。山梨学院大は大砲ニャイロも元気だ (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by YUTAKA/AFLO SPORT

 順当ならその役割を果たすのは、前回も1区と予想されながら、チーム事情で急きょ5区に回った上田になるだろう。春は故障もあってトラックシーズンでは結果を出せず、全日本も1区で12位と力を出しきれていないが、主将として大学最後の駅伝にかける思いは強い。

 きっちりと調子を合わせてくれば、ハーフマラソン1時間02分01秒という力を持っているうえ、高校駅伝で優勝した時も、1区で区間2位の走りをしているだけに上位で走れる可能性は高い。さらにニャイロもおそらく上位で来るだろう神奈川大の鈴木健吾と並んでスタートできる形になって競り合えば、1時間6分台での走りで後続との差を広げられるだろう。

 前回は3区を走って区間9位だった永戸聖(しょう/3年)も、今季は丸亀ハーフと学生ハーフで1時間2分台を連発し、1万mでも11月には28分30秒59の自己新を出している。また、前回はインフルエンザで出場できなかった市谷についても「練習も安定して、自分で組み立ててみんなを引っ張ろうとしているし、調子もかなり戻ってきている。しっかり上げていけば、4年目にしてやっと一発やってくれそうかなと期待している」と上田監督も顔を綻ばせる。

 5区は、区間5~6位くらいの目安となる1時間13分台で走る選手のめどはついているというだけに、永戸と市谷を3区と4区に置けば、2区までの流れを途切らせることなく走れそうだ。

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