「復路の駒澤大」が、今季の箱根駅伝では金銀メダリストの往路勝負か (2ページ目)

  • 酒井政人●文 text by Sakai Masato
  • photo by YUTAKA/AFLO SPORT

 5区偏重に対する疑問の声が高まったことで、前回から小田原中継所が元の位置に戻り、駒大にとっては戦いやすくなったかと思われたが......。結果は9位と大苦戦。それでも今季から新チームの主将を任されることになった工藤有生(なおき/4年)は、「自分たちが主体となるチームで戦えるのか、不安と焦りがある。でも、優勝を目指して頑張るしかない」と、危機感を抱きつつも勝負する決意を固めた。

 そして駒大は、3月の学生ハーフマラソン選手権で奮起する。工藤が1時間2分15秒の2位、片西景(3年)が1時間2分34秒の3位、下史典(しも・ふみのり/3年)が1時間2分36秒の4位でフィニッシュ。同大会はユニバーシアードのハーフ代表選考会になっており、上位3位までに入った工藤と片西がユニバ代表に選ばれた。

 工藤は、以前から悩まされていた「左脚が抜ける感じ」の症状が悪化し、一時はユニバを棄権することも頭をよぎったという。それでも、スタートラインに立つと積極的なレースを展開。何度も揺さぶりをかけ、片西とともに抜け出す。最後は片西が先着し、駒大コンビはユニバーシアードのハーフマラソンで金・銀メダルを獲得した。

 ユニバを制した片西は、「まさか自分が優勝できるとは思っていなかったので、本当にうれしいです。3年目でここまでこられて、駒大に入ってよかったと感じています。でも、監督にも言われましたが、ユニバはユニバ。チームで狙っているのは箱根なので、今回の結果を自信にはしますけど、しっかりと切り替えたい」と振り返った。

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