箱根駅伝それぞれの戦略。神奈川大は1区、2区で早々に勝負をかける (4ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by AJPS/AFLO SPORT

 もし往路優勝ができても、そのまま逃げ切る展開ではなく、どこかで3~4校の混戦になると大後監督は読んでいる。

「できれば6区が終わった時点では先頭と並んでいる位置でいたい」

 6区には、前回58分48秒で走り、今回は57分台に入りそうな青学大の小野田勇次(4年)と、前回は59分56秒ながら今年は力をつけて小野田並みの走りをする可能性がある東海大の中島怜利(れいり/2年)がいる。この2校には、往路で2分くらいの差をつけておきたいという。

「復路には9区と10区を経験している大川一成(4年)や、2年時は9区、前回は5区を走った大野、前回6区を走った鈴木(祐希)、上尾ハーフを1時間04分08秒で走った宗直輝(2年)、ハーフで1時間03分35秒を持っていて安定している秋澤啓尚(4年)をどこかに配置する感じですね。ただ、最後の10区で順位争いとなった時には、1万m28分台のスピードも必要になりますが、それに該当するのはその中で鈴木祐希ひとりだけなので、現実的にはまだ1枚足りないというところです」

 神奈川大の"勝機"を考えれば、1区の山藤と2区の鈴木で得たリードをどこまで守りきれるかということになるだろう。だが、アンカーに絶対的エースの鈴木健吾がいるという安心感を持って走れた全日本とは違い、リードしていても後ろから追いかけてくる相手を意識して走らなくてはならない。復路の4年生たちがいかに、そのプレッシャーを跳ね返すような走りができるか。目標にする総合3位はそこにかかっている。

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