箱根駅伝それぞれの戦略。神奈川大は1区、2区で早々に勝負をかける (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by AJPS/AFLO SPORT

 そう言って苦笑する大後監督は、自分のチームは早々と1区には11月の全日本でも1区でいい流れを作る走りをした山藤篤司(3年)を使い、2区にエースの鈴木健吾を起用することを公言している。

「うちが12年間シード権を取れなかったのは、そこ(1区、2区)に位置する存在がいないからでした。そこで戦えるまでになったことと、今回は混戦も予想されているので、僕としては早い段階でエース格を出して、勝負の切符を切るようにしたいこともあり、『行きます』と言ったんです。東海大は来年、再来年になれば手に負えなくなるほどの戦力ですが、そういうチームと戦えるのは幸福なこと。うちは総合3位以内を目標にしているので、前半を意識したオーダーで行く予定です」

 戦力的に見ても、復路で逆転できる力を持っているのは東海大と青学大だと見る。全日本で5区までトップを走った東洋大も4年生が3人ほど出てくれば手強く、東海大と並ぶ優勝候補になるだろうと警戒していたが、4年生のエントリーが1名だけになったことで安定性は少し落ちるだろうとみている。

「1区の山藤と2区の健吾でうまく乗せて、あわよくば2区でトップに立てれば。前回の3区と4区の戦力では2区をトップで持ってきたのに、その順位をキープできなかった。今年は前回に比べてふた回りくらい力はついてきている」

 前回3区で後半失速して区間15位に沈み、神奈川大の順位を3位に落とした越川堅太(2年)も今年は5000mと1万mで自己記録を更新し、全日本の5区では青学大の下田裕太などを相手に区間賞を獲得して自信もつけている。

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