駅伝2冠を逃した東海大の「最強世代」。どこに誤算があったのか? (7ページ目)

  • 佐藤 俊●文 text by Sato Shun
  • photo by Kyodo News

 悪くはないが、ベストからは程遠い走りが続いていた。モニターに映る關の走りを両角監督は厳しい表情で見ていた。

「館澤がいい働きをしてくれたので、そのいい勢いで關にはいってほしかったんですけど、最初からちょっと動いていなかったですね。思い切っていけない何かしらの理由があるんだろうけど、4区でもっと前との差を詰めたかったなぁ」

 レース後、關は思ったよりも走れなかった理由を探していた。

「正直言って、なぜダメだったのか今はわからないので、しっかりと見直していきたい。アンカーの川端さんのところを見ると、自分のところでもっとタイムを稼げたらと思ったんですが......うーん、悔しいですね」

 關は区間6位に終わった。

 東海大が勝つためのキーであり、期待が大きかっただけに關らしくない順位と走りは後続の選手に、決して小さくはない影響を及ぼすだろう。トップを走る東洋大との差は1分02秒に開き、東海大は2位。3位の青山学院との差は、わずか7秒しかなかった。

 5区、青学大はエースの下田裕太が走る。東海大にとっては、嫌な展開になりつつあった。

(つづく)

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