全日本を勝った伏兵・神奈川大は、箱根駅伝でも青学、東海を崩せるか (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Kyodo News

 もたつく2強を尻目に、レース前半をリードしたのは東洋大だった。1区区間1位の相澤晃(2年)で飛び出すと、4区終了時点までに2位との差を1分02秒まで広げた。だがそこからは駒不足が露呈し、5区では11秒差に詰められて主役の座を降りることに。その間に東海大は3区で舘澤亨次(2年)が区間賞の走りで2位に上げたが、4区で逆転を期待されたエースの關(せき)颯人(2年)が力を出し切れずトップを奪えない誤算があった。

 もう1校の伏兵、神奈川大は、1区をトップと5秒差の4位で滑り出した。2区で大塚倭(4年)が3位に上げ、3区の荻野大成(2年)は東海大に抜かれたが14秒差の4位。4区の鈴木祐希(4年)も青学大には抜かれたものの、4位で2位東海大とは12秒差、3位青学大とは5秒差と食らいついていた。

 勝負が動いたのは5区。神奈川大の越川堅太(2年)は、「メンバー表を見た時はびびったところもあったけど、タスキを受けた時に青学大の下田さんが近くにいたので、一緒に行けば自然と前を追えると思った」という。越川は最初の1kmを2分30秒台で突っ込み、東海大を含めた3チームの並走に持ち込んだ。そして、最後は区間賞獲得の走りで抜け出すと、1位の東洋大に11秒差まで詰め、3位の東海大に9秒差をつける2位で中継した。ここで体調不十分の下田裕太(4年)が後半失速して、青学大は神奈川大に52秒遅れる4位に後退。優勝争いは事実上、東海大と神奈川大の一騎打ちになった。

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