V2狙う青学大vs出雲Vの東海大。
全日本の勝負ポイントを徹底分析

  • 酒井政人●文 text by Sakai Masato
  • photo by Kyodo News

 青学大の2区は学生駅伝で5つの区間賞を獲得している田村和希で、一方の東海大は初の学生駅伝となるルーキーの塩澤稀夕。塩澤は10月21日の平成国際大記録会1万mで28分36秒15をマークするなど絶好調だが、前回も2区で区間賞を獲得している田村が相手では分が悪い。田村は昨年、区間2位に20秒差、同3位に34秒差をつけており、20~30秒のビハインドは十分に射程圏内だ。重要なのは、追いつかれた後に塩澤がどこまで粘ることができるかだが、この区間で両チームが並ぶ可能性は高い。

 3区は、出雲で5区(区間3位)を任された青学大のルーキー・神林勇太と、前回の3区で区間賞を獲得した東海大・館澤亨次が対決。この区間は東海大が優勢になるが、9.5kmのショート区間のため大差はつかない。どちらが先にタスキを渡すかは、2区のタイム差次第になりそうだ。

 そして、伊勢路の中盤4区で競い合うのは森田歩希と關(せき)颯人。青学大の森田は昨年6区で区間賞、箱根は4区で区間2位と駅伝に強い選手だが、今の關には敵わないだろう。關は9月23日の日体大長距離競技会1万mで28分23秒37の自己ベストをマーク。出雲では最終6区で区間賞の快走を見せ、優勝ゴールに飛び込んだ。今年の箱根の2区では苦戦したものの、全日本の14.0kmという距離は持ち味のスピードを存分に活かすことができる。東海大としてはこの4区でリードを奪い、逃げ切り態勢に入りたい。

 青学大は5区下田が万全な状態であれば、20~30秒のビハインドなら追いつくことが可能。しかし、それ以上だとなかなか難しい。4区終了時のタイム差で、レースの行方が見えてくるだろう。黄金時代を謳歌している青学大か。それとも新時代に突き進んでいる東海大か。今年の「大学日本一」に輝くのはどっちだ。

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