「福岡国際を日本記録で走れば...」。夏場に追い込んだ神野大地の自信 (4ページ目)

  • 佐藤 俊●文・写真 text & photo by Sato Shun

 その福岡で勝つためには、10月にいかに追い込めるか──。

「10月は、エグいっすよ」

 神野はスケジュール表を見て、そう言った。

「練習、攻めるよ」と磯松監督には言われたという。そのメニューは、今回の42.195kmを含めて5週連続でフルマラソンを走るものだ。もちろん、その合間にレイヤートレーニングなど中野ジェームズ修一とのセッションも入る。

「10月が試練ですね。でも、10月の練習をするために夏に走り込んできたので自信はあります。11月は40km走が1回入るだけなんで、この10月をやり切ったら相当すごい。12月は間違いなくイケると思います」

 たぶん、神野は乗り切っていくだろう。

 中野の言葉にあるように(前回の記事参照)、神野は常に中野の予想以上の速度で成長し、故障もなくここまでやってきた。怖いくらい順調だが、神野に過信も慢心もない。いつも通り、ケアに時間をかけ、自分の体と向き合っている。

 そう言えば、9月13日に神野は24歳の誕生日を迎えた。

 毎年、この時期、青学時代は広島や妙高高原での合宿中であり、昨年はコニカミノルタの妙高高原合宿だった。アメリカで迎える誕生日は初めてだったが、時差があり、2日間にわたり、友人からお祝いのLINEやメールが届いたという。

「24歳になっても特に変わったことはないですね。もう歳だなぁーっていうくらい(笑)。たまにマラソン勝てないと何が残るのかなぁって考えたりもしますけど、ここまでは計画通りに来ているので、とりあえず福岡で結果を出したいですね」

 10月、果たして攻めの練習でどこまで追い込めただろうか。

 神野にとっては、福岡国際マラソン制覇に向けて極めて重要な1カ月となった。

(つづく)

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