予選会4位も「伸びしろ」あり。山梨学院大が箱根駅伝ダークホースに (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by MATSUO.K/AFLO SPORT

 前回の箱根は4年生が5人走っている。彼らが抜けた大きな穴を埋めるためにも、ここで新しい選手たちの成長を促がす意味もあった。後方グループは前半の10kmを30分30~40秒で入り、後半を上げさせる構想だった。その結果は1時間00分56秒の片山優人(3年)のほか、3人は1時間01分台前半にとどまった。「後半上がらないままでしたが、流れもあるから」と上田監督は苦笑する。

 そんな初出場勢だけでなく、主力にも不安はあった。中でも上田監督が最も心配していたのは、なかなか調子が上がってこないエースのニャイロだ。さらに主将の上田も5月の関東インカレでケガをしていて、今回がそれ以来のレースという不安を抱えていた。これも予選会で慎重なレース運びを選択した要因だ。

「でもニャイロもここ1週間くらいでみるみる状態がよくなってきた。結果は(個人順位)2番で、本人も自分なりに手応えをつかんだと言っていたので、今後に向けては明るい材料になりました。健太も永戸とふたりで集団を引っ張った場面もあって、それで疲れたと言っていて今回はもうひとつでしたが、ゴール後も脚には異常がないということでした」(上田監督)

 最初から先頭集団で走ったニャイロは、15km手前からレダマ・キサイサ(桜美林大)に離されたが57分33秒でゴール。日本人集団で走っていた上田と永戸はラスト5kmで遅れ、上田は1時間00分00秒で23位、永戸は1時間00分06秒で26位という結果だった。

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