手が届いた箱根駅伝のシード権を掴みに。
上武大が「第一関門」に挑む

  • text by Sportiva
  • 志村正太郎●撮影 photo by Shimura Shotaro

 もうひとり、4年の坂本佳太にも、予選会で大きなアドバンテージを稼ぐことが期待されている。1万mのタイムがチーム内で最も速い(29分08秒43)坂本は、今年の箱根で1区を走り、他校のスピードランナーが揃うなかで区間10位に入っている。

「監督には『目標は10位』と伝えられていたので、それは達成できましたし、いい走りができたんじゃないかと思います。欲を言えば、残り1kmくらいまでは7位だったので、そこから順位を下げずにいきたかったですね。今年は、前半に突っ込みすぎて後半にペースを落としてしまうところを特に意識して改善してきました。予選会では最後までペースを落とさず、上位でゴールしたいです」

 一方、チームに貢献できなかった悔しさを胸に予選会に臨む選手もいる。坂本と共に1年時から箱根を走った、4年の井上弘也だ。

 2年時には関東インカレや日本学生対校選手権の1500mを制し、レースで見せる"仁王立ち"が話題になるなど名前も広まってきていた。当然、昨年は主力として期待がかかっていたが、6月の日本選手権の前からケガが続き、箱根予選会と本戦に出場することができなかった。前年の自分と比較してしまい、うまくいかないことが大きなストレスとなったこともあって、昨年の12月に「チームから離れさせてくれ」と監督に頼んだという。

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