手が届いた箱根駅伝のシード権を掴みに。上武大が「第一関門」に挑む (3ページ目)

  • text by Sportiva
  • 志村正太郎●撮影 photo by Shimura Shotaro

 20kmを走り各チームの上位10人の合計タイムで争われる予選会は、数秒の差が明暗を分ける。近年では留学生ランナーを起用する大学も多く、昨年のレースでは58分43秒00で神奈川大の鈴木健吾(当時3年)が全体の3位に入ったが、それ以外は6位までを留学生が占めた。日本人選手のみで戦う上武大学がそれに対抗するためには、ひとりずつがどれだけタイムを稼げるかにかかっている。

 上武大の選手は、高校からのエリートランナーが少ないこともあって、これまで距離を踏む練習を意識的に抑えていたが、今年は"強さと速さ"を重視。負荷のかかる練習に耐える体を作るため、フィジカルトレーニングも取り入れた。その新たな取り組みで「予選会トップを目指す」と意気込むのが、副キャプテンの太田黒卓だ。1万mのタイムはチーム2番目の29分24秒46。今年の箱根3区を区間11位でまとめた3年生エースは、さらなる飛躍を期している。

フィジカルトレーニングで「強く速い」体を作るフィジカルトレーニングで「強く速い」体を作る「昨年まではタイムこそ残せていたんですが、走るときのバランスにかなりブレがあって。体力がキツくなってくるとフォームが崩れてしまっていたので、体幹を中心に鍛えてきました。予選会に合わせていい結果が出せるように調整してきたので、自分が59分台を出して突破に導いて、来年1月の箱根にはエースとして出場したいと思っています」

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