手が届いた箱根駅伝のシード権を掴みに。上武大が「第一関門」に挑む

  • text by Sportiva
  • 志村正太郎●撮影 photo by Shimura Shotaro

 10月14日に迫った箱根駅伝予選会に出場する上武大学駅伝部は、今年の1月2日、創部以来の目標となっている"箱根駅伝のシード権獲得"に手をかけた。

箱根駅伝予選会に向けてトレーニングを行なう上武大駅伝部箱根駅伝予選会に向けてトレーニングを行なう上武大駅伝部 往路に力のあるランナーを並べた上武大は、4区通過時点で順位こそ16位だったものの、シード権争いのボーダーラインとなる10位の拓殖大との差は1分23秒差と粘った。そんな4人の想いを受け取った当時の主将・森田清貴(現・NTT西日本)が、3度目の5区山登りで8人抜きを達成。区間2位の走りで、チームの過去最高順位である8位でゴールした。

 その往路のレースについて、チームを率いて2年目となる近藤重勝監督は「100点満点でした」と振り返る。

「往路に関しては、(10位までの差を)1分30秒以内で5区の森田につなげば十分に挽回できると話していました。本番ではその目標を上回ってくれて、順位をひと桁で終えられたわけですから、十分に評価していいと思います。復路に関しては、その流れでどこまでいけるかというところだったんですが......。往路でチームの力を出し切ってしまった感はありましたね」

 その言葉通り、復路を走った5人中4人が区間順位15位以下と苦しんだ。10位との差は7分45秒に広がり、総合順位は15位に終わる。

「復路は他大学との地力の差が出てしまいました。シードを取るなら、10人の1万mの平均タイムが29分40秒から50秒くらいで臨めないと苦しい。僕自身、監督として初めて箱根を経験したことで気づくことがたくさんありましたね。往路の好成績で盛り上がっていたのに、本番では選手に動揺があったり、メンバー変更で走る選手が体調を崩したり。そういったメンタル面も含めて、全体の走力を上げていかなくてはいけないと感じました」

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