東海大の駅伝を支える「スーパー2年生」に新たなスター候補が現れた (2ページ目)

  • 佐藤 俊●文・写真 text by Sato Shun photo by Nikkansports/AFLO

 東海大からは鬼塚、阪口竜平(2年)、そして前日の1500mで敗れ、悔しい思いを抱えた館澤亨次(2年)の3人がエントリーしていた。注目はアメリカ合宿組の鬼塚と阪口がどんな走りを見せるか、だった。1万mで關が思う通りに走れずに苦しんだが、それはアメリカ合宿の疲れなのか、それとも關自身に何か問題があるのか、彼ら2人の走りである程度、見極めることができる。

チームを引っ張る2年生の面々。左から松尾淳之介、阪口竜平、鬼塚翔太、関颯人、館澤亨次、高田凛太郞、中島怜利、郡司陽大チームを引っ張る2年生の面々。左から松尾淳之介、阪口竜平、鬼塚翔太、関颯人、館澤亨次、高田凛太郞、中島怜利、郡司陽大 5000mがスタートした。

 パトリック・ワンブィ(日本大・3年)とレダマ・キサイサ(桜美林大・2年)の2人が飛び出し、阪口、館澤がついていく。鬼塚は真ん中あたりの集団の中に位置している。2000mをトップのキサイサが5分23秒で通過。続いて、ワンブィが後を追うが、阪口と館澤もしっかりとついていっている。2800mを過ぎると鬼塚が遅れ始めた。走りは力強いがスピードがのらない感じで、ちょっと苦しそうだ。1万mに出場した關も途中から遅れたが、アメリカ合宿組は阪口と關、鬼塚の間でどうやら明暗が分かれそうだ。

 3600mからキサイサが独走態勢に入った。

 ワンブィはついていけず、阪口、坂東悠汰(法政大・3年)、館澤の集団に吸収された。ラスト1周の鐘が鳴った。ワンブィがスパートをかけるも後続を引き離せない。阪口は必死に粘っている。2人が前に出て、館澤は坂東と4位、5位争いをしている。前日1500mで5位という悔しい結果に終わった館澤は意地を見せ、喰らいついている。

 阪口はワンブィを差せなかったが3位(13分47秒85)で日本人トップ。館澤は5位(13分52秒98)に入り、1500mの悔しさを晴らした。期待された鬼塚は16位(14分22秒37)に終わった。

 阪口は汗を拭いながら、充実した表情を見せた。

「ラスト200mでいけるかなって思った瞬間、パトリック選手がひとつギアを上げて前に出ていって......。アッと思ったんですが、そこで対応が遅れてしまった。キツくて判断力が鈍ってしまったのもあるんですけど、ラスト200mを過ぎた時点で勝負すればよかった。監督には『期待している。パトリックに勝て』と言われていたんですが、最後に油断してしまいました」

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