五輪でメダルを目指す神野大地の夏。新フォームで70km走に挑む (2ページ目)

  • 佐藤 俊●文・写真 text & photo by Sato Shun


 神野はフォーム改造の手応えを、すでに感じているという。

「前の僕のガニ股の走りだと接地の時、足の負担が大きくなって、距離が延びるほど足が疲れやすくなるんです。それでフォームを変えたんですが、まだ2週間ちょっとだけど、走りづらいとかはないですね。内転筋がないと内側に着地しようとした時、違和感を覚えたり、膝に痛みを感じたりするんですけど、今のところそれもないです。8月16日に42.195kmを走ったんですけど、内側への着地を意識して走ったら、全然きつくなかった。スピードも乗ってすごくいい感じですね」

 神野は中野からダイナミックに筋肉を使ってスピードを上げていく走り方を学び、今まさにそのプロセスの最中にいる。その一環としてフォーム改造に取り組んだわけだが、早くもいい形になりつつある。レイヤートレーニングをこなして筋肉をつけてきた成果だといえよう。
 
 15時から、食堂にしているボールルームでレイヤートレーニングが始まった。中野が作ったメニューを見て、驚いた。「2山」、いわゆるダブルスプリットに設定されているのだ。通常のレイヤートレーニングはランジから始まり、ABCDEのトレーニングをこなして終了になる。それでもかなりハードで、トレーニングの終盤は神野の足がブルブルと震え、自然と苦しみに満ちた喘ぎ声が出てくるほどだ。もちろん、翌日の筋肉痛もかなりある。シングルのトレーニングでも「メンタルが大変だ」と神野は言っていたが、ダブルスプリットになると肉体やメンタルがどうなるのか、想像がつかなかった。

「7月30日に一度、2山をやっていて、今回で2回目。世陸などもあり、ちょっと時間が空いているし、明日70km走がありますけど、攻めていければと思います」

 中野は淡々とそういうが、かなりの荒行であることは間違いない。

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