東京五輪でメダル独占するかも...。ロンドンで日本の競歩が見せた夢 (5ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Fujita Takao/PHOTO KISHIMOTO

 今回もそんな様々なデータから割り出した選手たちの目標タイムが、荒井は3時間40~38分の自己記録で、小林は自己記録の3時間42分08秒を40秒くらい更新すること。さらに3時間49分17秒がベストだった丸尾に関しては、2km9分のペースで歩き、入賞圏内の3時間45分を目標にするというものだった。

 荒井は、途中で小林のペースに合わせたため実現できなかったが、小林と丸尾はその目標を見事クリア。丸尾は「周りを気にせず自分のペースで歩けたのがよかったですし、必ず前の集団から落ちてくる選手がいるとわかっていたので冷静に歩けた。自分の順位はわかっていて『少しでも前を』と思っていましたが、欲張りすぎて最後にゴールできなくなってもいけないので、給水のたびに今村コーチの顔色を伺いながら歩いていました。今回は後半にペースを上げられて、目標よりいい記録を出せたのが自信になった」と振り返る。

 今大会男子20kmでは、藤澤勇(ALSOK)の11位が最高で本来の力は発揮できなかったものの、50kmでは、実績のある谷井や森岡というベテランもいるなかで、新顔がしっかりと結果を残した。「誰が出てもメダル争いができるチーム作り」という面でも、2020年東京五輪に向けて競歩は理想的な状況になってきた。

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