川内、中本、井上の3人は「何を考えて世界陸上マラソンを走ったか」 (4ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Nakamura Hiroyuki/PICSPORT

 中本本人は、20kmを過ぎてからの急激なペースアップは想像していなかったと苦笑するが、そこを15分02秒でカバーして30kmまでも15分36秒で耐え、何とか12位を維持。最後は、2時間12分41秒で10位ゴール。彼もまた、川内と同じく惜しい結果だった。

「20kmからのスパートに対応するのに少し足を使ってしまいましたね。10位まで上がった時は、前もだいぶ落ちているからいけるかなと思ったけど、自分も足にきていて。41kmを過ぎて川内くんに抜かれてから足が止まりましたが、そのへんも自分らしさだったかなと思います。入賞はしたかったので本当に悔しいけれど、自分の力を出し切ることはできたので『精一杯できたかな』と思っています」

 一方、世界大会初挑戦の井上大仁(MHPS)は、集団の前方について揺さぶりに対抗する攻めの走りを見せた。しかしそれは、川内が「僕も過去2回、ああいうレースをして失敗をした」というような走り方だった。結局20kmからの急激なペースアップに対応できず、30km以降は17分台中盤のラップにまで落ち、2時間16分54秒と厳しい結果に終わってしまった。

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