サニブラウン、世界陸上100m決勝進出へ「絶好のチャンス」だった (5ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Nakamura Hiroyuki/PICSPORT

 風の条件から言えば、第3組以外は向かい風だったとはいえ、0.5mと0.2mという微風。3人はともに、持てる力を出せば決勝進出は可能だった。特にサニブラウンは、予選と同じ走りをしていれば決勝進出は確実だったといえる。

 今回の100mは、ボルトの9秒86を筆頭に6名が9秒台で走った昨年のリオデジャネイロ五輪の準決勝のようなハイレベルな戦いにはならなかった。五輪の翌年で、ボルトが調子を上げていなかったこともその要因だろう。そんな状況で、運をものにできなかったことに、選手たちは無念さを感じている。

 勝負をかけた場面で、持てる力の最大限を出し切ることの大切さ。日本人が短距離で世界と勝負をするには、それなくしてあり得ないことを選手たちが学んだ大会でもあった。

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