サニブラウン、世界陸上100m決勝進出へ「絶好のチャンス」だった (4ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Nakamura Hiroyuki/PICSPORT

 また、多田は予選と同じくボルトと同走になったが、「スタートの反応速度も遅かったし、中盤からボルト選手たちが見えたので、そこからは力が入ってスピードに乗れなかった部分もある」というように、序盤はリードしたものの、10秒26で5位という結果に終わった。

「ボルト選手と一緒だったので、準決勝も予選と変わらない感じで走れました。ただ、準決勝にいくという最低限の目標は達成できたけど、予選よりタイムを落としたのが一番悔しいですね。自分の武器だと思っているスタートで全然差をつけられなかったので、そこが想定外でした」

 こう話す多田は、これから筋力をつけて最高速度を上げ、後半の走りのタイムを上げることが必要と感じたという。

 サニブラウンだけではなく、ケンブリッジも多田も準決勝で感じた悔しさは同じだ。準決勝の結果を見れば、クリスチャン・コールマン(アメリカ)が9秒97のトップタイムで通過し、それに9秒98でボルトが続いた。それ以外は10秒04までタイムを上げたブレイクが最高で、タイムによるプラスは10秒09のジミー・ヴィコー(フランス)と10秒10の蘇までだった。

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