柏原竜二は真剣に思う。「スポーツとサブカルを結びつけられないか」 (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 村上庄吾●撮影photo by Murakami Syogo

「富士通に入ってからの5年間は、自由に競技に取り組ませてもらって、陸上部の福嶋正監督も最後の最後まで引き止めてくれましたし、そこは感謝しかありません。ケガをしていても、変わらずに声援を送ってくれるファンや職場の方がいてくれたことは、本当に幸せでした。結果を出せなかった分、いろんなことを考え、いいことも悪いことも教えられた5年間でした」

 そんな感謝の気持ちが、「これまでやってきたことを富士通にどう還元させられるか」という想いにつながる。

 職場が企業スポーツ推進室に変わる際、「陸上以外のスポーツも盛り上げたい。柏原にアメフトに関わらせてみたらどうだろう」という室長とアメリカンフットボール部GMの意向で、Xリーグ終了まで富士通フロンティアーズに籍を置くことになった。柏原は、その知らせを聞いた時の心情を「正直、僕に何をやらせたいのか、わからない部分もありました」と、苦笑いで振り返る。

「畑がまったく違いますからね。陸上は自分を追求するスポーツなのに対し、アメフトはコンタクトスポーツ。マネージャーとして何をしたらいいのかわからず、不安と緊張でいっぱいでした。でも、いざ挨拶に行くと、アメフト部のみなさんは温かく受け入れてくれて、『この人たちに何を返せるかな』と、前向きな気持ちに変わりました。

 陸上部のスタッフとして残っていたら、こうはいかなかったと思います。長く競技を続けていたプライドや、『もっとこうすればいいのに』といった思いが強く出すぎていたんじゃないかと。まったく知らないアメフトだからこそ、チームが勝つために役に立ちたいと純粋に考えることができたんです」

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