【東海大・駅伝戦記】館澤が1500m優勝。このスピードを箱根で使う (6ページ目)

  • 佐藤 俊●文 text by Sato Shun  photo by Nakamura Hiroyuki/PICSPORT


「今までずっと關と鬼塚に並べるような選手になりたいと思っていました。でも、今回このような結果を残すことができたので、やっとあのふたりと同等の選手になれたんじゃないかなって思います。今後は同等ではなく、ふたりを越えてチームのエースになれるようにがんばります」

 館澤は顔をくしゃくしゃにして宣戦布告をした。

 長居のスタジアムの外に出ると、両角監督が待機場所に向かおうとしていた。

「木村は最後、足が残っていなかったので、まだまだ計算できていない。でも、自己ベストを記録して、大学記録も更新したのでまずまずだったと思います。館澤は、ラスト200mの走りは彼がイメージしていた通りの走りだったので、非常によかったと思います。今回のふたりの走りは大きな収穫でしたね」

 館澤には1500mに専念させ、練習プランも変更するなどしてバックアップしてきた。その成果がはっきりと結果に出たことは、監督として、このうえのない喜びだろう。そして、この成果は必ず秋に結びついていく。

 人の中に消えていく両角監督の背中は嬉々として、少し大きく見えた。
 
 選手が競技場からサブトラックに戻る花道では、關と鬼塚のふたりが、館澤が出てくるのを待っていた。「おめでとう」と声をかけると、「マジで館澤、すごいですね」とふたりとも大きな笑みを見せた。同学年で切磋琢磨してきた仲間が大舞台で大きな勲章を得たことは、やはり感慨深いものがあるのだろう。

――館澤くんは、ふたりを越えたいと言ってたけど。

「それは知っていました」。鬼塚が言う。

「でも、もう今日で追い越されましたね。日本選手権で勝つのは本当にすごいことなので」

 關が嬉しそうに表情を崩した。ふたりは大勢のファンや見物人に混じり、もはや第3の男ではなく、新たなエース候補の帰還を待っていた。

(つづく)

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