世界陸上でメダル期待のリレー。
現時点での「走順予想」はこうなる

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 中村博之/PICSPORT●写真 photo by Nakamura Hiroyuki/PICSPORT

 また、「100m6位の山縣亮太(セイコー)も実績は素晴らしく、今季も10秒0台で走っていますが、日本選手権以外の選考大会には出場していないので対象選手になっていない。もうひとつ上の順位なら可能性もあったかもしれない」と山縣が選考から外れた理由も語った。

 個人種目の100mと200mの出場6枠が全て違う選手で埋まると、桐生のリレー要員としての出場はなかったが、サニブラウンが両方に選ばれたことで、桐生に世界陸上で走る可能性が生まれた。

 彼の場合、昨年のリオ五輪で3走を務めて世界トップクラスの走りをしている。その点では3走のスペシャリストとして日本のメダル獲得には、なくてはならない存在である。オーダーを考えれば桐生の3走は確実で、山縣がいなくなった1走は多田が第一候補になり、飯塚とケンブリッジはともに2走も4走もできる状況。一方、注目のサニブラウンは能力的にはピカイチではあるが、まだナショナルチームでのリレーの経験がないため、7月下旬の合宿で適性を見ることになる。

 サニブラウン自身も「やれるなら1走か4走でしょうね」と言うように、使えるポジションは限定される。さらに100mと200mの2種目出場して、ともに決勝まで進むとリレーの前に6レースをこなすことになるため、その時の体の状態を見ながら起用するかどうかを決めなくてはならないという不確かな部分もある。

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