メダリストをゴボウ抜き。2冠のサニブラウンが積み上げた速さの秘密 (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 中村博之/PICSPORT●写真 photo by Nakamura Hiroyuki/PICSPORT

 サニブラウンの成長の要因は、海外に拠点を置き、プロのコーチの指導で向上したスタートからの3歩のさばきにある。

「以前から海外の選手の動きを見て、どうやったらああいうスタートができるのか、すごく興味があったんですが、やってみると全然できなくて。やっぱりあのスタートをするのはすごく難しいんだなと思っていました。

 でも日本のトップがやっているテクニックと、世界のトップ選手を教えているコーチの教えるテクニックはやっぱり違うと思うので。そこで学んだことがすごく大きいかなと思います。最初の3歩を足が流れないようにして、速く動かすというのが、少しずつ成果となって表れている。僕の場合は元々後半のストライドが長いので、それより伸ばす必要はない。スタートでしっかりリズムが刻めれば、そのリズムで、どんどんスピードに乗る。スタートでいいペースが出てくれば、後半のレースの作り方もけっこう簡単になってくる。そのへんが重要かなと思っています」

 さらに6月11日にヨーロッパで走ったレースが、21秒10という結果だったからこそ、今回があったともいえる。

「あれは2カ月ぶりの200mだったし、100mのレースが多くて200mのための練習をあまりやっていなかったのが大きく出たレース感じですね。200mを長い間走らないと走る感覚が失われてしまう。そういう面では200mの感覚を取り戻すための、いいレースだったと思います」

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