エース桐生祥秀が世界陸上100m代表落ち。日本短距離は戦国時代に突入 (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 中村博之/PICSPORT●写真 photo by Nakamura Hiroruki/PICSPORT

 2位には多田が入り、「後半は弱いですが、昨日の準決勝よりは維持できたので、そこはよかった。昨日は目をつむってしまうくらい力んでいましたが、今日は本当に真っ直ぐに自分のレーンだけを見て他の選手を気にしないで走れたので、それで後半も走れたのかなと思います」と10秒16をマークした。

 そして3位には「昨日の準決勝で右太股にちょっと痛みが出た。その違和感があったので全体的にうまく走れなかった」というケンブリッジが、スタートからなかなか加速できない状況ながらも、最後に追い込んで10秒18でゴール。

 3月に10秒0台を連発して以来、足首の不安でレースができていなかった山縣は、予選から硬い走りで、決勝には準決勝第2組4着で滑り込んむ苦しい状況だった。

「やっぱり戻せなかったですね。レベルの高い紙一重の戦いだったと思いますが、そういう中ではちょっとでも不安があると勝負にならないなという感じで......」と、得意のスタートダッシュもリアクションタイムは全体で後ろから2番目の0秒150の反応しかできず、伸びのない走りで10秒39の6位にとどまった。

 そんな中で驚いたのは、エースの桐生の走りだった。

 スタートの反応こそ、よかったものの、力んだ感じでうまく加速できず、見せ場を作れないまま10秒26で4位に沈み、個人での世界選手権出場を逃した。

 それは前日の準決勝までの走りに比べると、信じられないものだった。

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