復調した才媛ランナー・鈴木亜由子「東京五輪のために今確かめたい」 (4ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 築田純●写真 photo by Tsukida Jun

 もちろんその先には、2020年東京五輪を見据えている。日本郵政グループの高橋昌彦監督には「東京ではどの種目が一番メダルに近いのか。何をやりたいのかということを、マラソンも視野に入れてじっくり考えてみたほうがいい」と言われているという。鈴木にとっての今回の世界選手権は、次へ向かうためにリオでやり残したことを確かめに行く場でもあるのだ。

「本当にそういう気持ちはありますね。やっぱりトラックでしっかりと納得のいくところまでやらないと、東京で何をやるかというところまでは見えてこないと思うので。悔いが残らないようにやりたいと思います」

 こういう鈴木にそれだけの覚悟が本当にできているかと質問すると、彼女は口元をギュッと引き締めて視線を向け、力強くうなずいた。

 今回の日本選手権での敗戦。それは鈴木の世界へ立ち向かおうという気持ちを、今まで以上に高めるものになった。

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