ロンドンよりも東京に向けて。米国留学前のサニブラウンは堅実だった

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 中村博之/PICSPORT●写真 photo by Nakamura hiroyuki/PICSPORT

今大会が日本初戦だったサニブラウン・アブデル・ハキーム今大会が日本初戦だったサニブラウン・アブデル・ハキーム 晴天に恵まれながらも、あいにくの強い向かい風という条件になった5月21日のゴールデングランプリ川崎・男子100m。昨年のリオデジャネイロ五輪銀メダリストのジャスティン・ガトリン(アメリカ)も出場し、今季日本初戦となるケンブリッジ飛鳥が、銀メダリストに肉薄するレース展開となった。

「スタートは少し出遅れたかもしれない」というケンブリッジは、20m過ぎから加速したガトリンに少し離されたものの、中盤からは追い上げる走りを見せた。結果は10秒28で優勝したガトリンに対して、0秒03差の10秒31で2位。

「終盤で並んだ時にちょっといけるかなと欲が出たので。それで最後は少し力が入ってしまいました。ガトリンもすごく調子がいいわけではないだろうけれど、銀メダリストとああいう走りができたのは、多少自信になるかなと思います」

 4月のアメリカ遠征はすべて追い風参考のレースだった。4月15日の初レースでは追い風5.1mで9秒98を出したが、終盤は上体が立っていて肩の周りの硬さが見えた。そこはケンブリッジ自身も「硬くなっているというか、スムーズさがないなと思っている」と言い、今大会は意識して修正に努めていた。

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